理事長挨拶

理事長
『一般社団法人化による更なる飛躍に向けて』
一般社団法人FC-Cubic
理事長飯山 明裕

 2026年5月の一般社団法人FC-Cubicの理事会で新代表理事(理事長)を拝命いたしました山梨大学の飯山です。一般社団法人FC-Cubicは2025年10月1日に設立いたしました。これまでの経緯は、2005年に産業技術総合研究所の期限付き組織「固体高分子形燃料電池先端基盤研究センター」として出発、2010年に技術研究組合FC-Cubic化し、2023年には研究開発の拠点を山梨県米倉山に移し、2026年4月1日に技術研究組合から一般社団法人にすべての事業を移管いたしました。

 FC-Cubicのビジョンは、固体高分子形燃料電池・水電解の先端基盤技術に関する研究および普及啓発等を、第三者機関として産官学のハブとして評価・解析を基軸に横断的・総合的に取組むことにより、水素を利用する日本の科学と産業の健全な発展に寄与することであります。

 昨今、水素に期待される役割・意義は、ますます多層化していると思います。オイルショック時の石油代替燃料、自動車のゼロエミッション化、そしてカーボンニュートラル実現のための有力な脱炭素燃料・材料、さらには、近年、エネルギー・経済安全保障と産業力強化の観点が加わりました。水電解による安価なグリーン水素の大量かつ安定した供給体制の構築と、脱炭素化のために電気では対応できない多くの分野での水素の利活用の促進、同時に、産業競争力の維持・強化が強く望まれています。

 このような多層化する要求に対して、産官学連携の体制で、NEDO技術ロードマップに示されている水電解装置や大型商用車向けの燃料電池の将来目標の実現に向けた研究開発活動や人材育成に取り組むことは極めて重要であり、FC-Cubicの果たす役割は、その中核ともいえると思います。

 FC-Cubicは山梨県米倉山で山梨県が設けたNesrad(次世代研究開発ビレッジ)に入居し、米倉山の太陽光電力から作られるグリーン水素を用いて研究開発活動をしている、世界的にも稀有な存在です。燃料電池に関する試作・評価・解析を行う国内最大規模かつ最高レベルの能力を有しており、さらに、水電解に関する同様な能力の構築も進めてまいりたいと思います。

 また、非営利団体である一般社団法人FC-Cubicとして、法人の目的である 「産業界への貢献」を実現するために、第三者評価機関として企業からの受託研究を受入れ、収益事業を行ってまいります。

 皆様方の温かいご支援とご協力そしてご参画を得て、世界的に競争力のある産業を構築・発展させ、同時に、その担い手の人材を育成し続ける役割を果たしてまいりたいと思います。

2026年7月